外科

大隈病院外科では一般外科および消化器外科領域を中心にして手術療法を含めて幅広い治療を行っております。

                         

大隈病院外科の特徴

① 診療ガイドラインに沿った標準的な治療

現在ではがん治療のみならず様々な病気に対して、全国どこの病院でも同じ治療が受けられるように診療ガイドラインが作成されています。当院でもこのガイドラインに沿った手術適応、手術術式、術後のフォローアップなどを行うことで大病院と変わらない治療を受けることができます。

② 腹腔鏡を用いた低侵襲手術

外科分野では以前は開腹といってお腹を大きく開けて行っていた手術も、技術の進歩により腹腔鏡を用いることで小さな傷で手術を行うことができます。これにより術後の傷の痛みの軽減や入院期間の短縮といった負担の小さい手術が可能です。当院では胃がん、大腸がん、胆石症、虫垂炎、鼠径ヘルニアなど多くの手術で腹腔鏡下手術が可能です。

③ 患者さんひとりひとりに対するオーダーメイド治療

当院は大病院とは違い小さな病院だからできる小回りの利いた治療が特徴です。たとえば高齢の方で手術のあとすぐに退院するのは心配という方であれば地域包括ケア病棟で最長2か月間の長期療養入院が可能であったり、逆に現役世代の方で時間がないような方は日帰りで手術をしたりと患者さんひとりひとりのご都合に合わせた治療が可能です。

④ アンケートについて

大隈病院外科では入院して手術を受けられた方に対して、外来通院・手術の説明・入院生活などについてのアンケートを実施しております。良い意見から悪い意見までさまざまな意見をいただいておりますので、当院で治療を考えておられる方の参考になればと思います。

対象疾患

・胃がん

胃がんはがんで死亡する方の第3位に入る病気ですが、最近はがん検診の進歩などで早期発見が可能で適切な治療を受け治癒する方も多くいます。胃がんの治療は切除治療が第一選択です。早期胃がんでは内視鏡(胃カメラ)による治療が可能な方もいますが、内視鏡治療の対象外の方や進行がんの方は手術が必要となります。当院では進行度に応じて腹腔鏡下手術からしっかりとしたリンパ節郭清を伴う開腹手術まで行います。

・大腸がん

食事習慣の欧米化に伴い増加しているがんで、女性のがん死亡原因の第1位となっている病気です。胃がんと同様に早期がんに関しては内視鏡治療が可能ですが、進行したがんでは手術が必要となります。大腸がんでは腹腔鏡下手術が手術療法の第一選択となる場合が多く、負担の少ない治療で早期の社会復帰が可能です。

・肛門疾患

おしりの痛みや脱肛、出血といった症状で悩まれる方は多いのですが、病院を受診するのは恥ずかしいものです。当院では患者さんの状態と希望を十分に考慮して、炎症を抑える軟膏や下剤による排便のコントロールで保存的に治療することから、手術によって症状の改善を図ることまで幅広く治療を行っています。おしりの症状でお悩みの方は一度受診をお勧めいたします。

・そけい(鼠径)ヘルニア

いわゆる脱腸と言われる病気ですが、お子さんだけでなく年を取った方にも発症します。症状としては立ったりおなかに力を入れると足の付け根が腫れてくるといったものです。時として非常に痛みを伴うこともあり原則手術が必要です。当院では腹腔鏡下のヘルニア修復術を行うことで負担の少ない治療を行います。

・胆石症

みぞおちやわきばらの痛みなどで見つかる病気です。また症状がなく検診などで偶然見つかる場合もあります。非常に頻度の高い病気で、放置すると胆嚢炎など重症化することもあります。治療法は手術的に胆嚢を摘出する必要がありますが、腹腔鏡下手術が可能な場合が多く比較的負担の少ない治療が可能です。場合によっては単孔式といってお臍に1か所穴をあけるだけで手術が可能です。

・胃ろう・CVポート

ご高齢や神経の病気等の理由により食事が摂れない方に対して胃ろう・CVポートの造設を行っています。特に胃ろうは、内視鏡による造設が難しい方に対しては開腹術による造設を行い、どのような症例に対しても安全に造設できることが特長です。

・その他

虫垂炎や腸閉塞といった救急疾患や肝胆膵領域の悪性疾患、気胸などの呼吸器疾患にも対応いたします。なお下肢静脈瘤といった血管外科分野の病気や乳腺の病気は他院へ紹介させていただいております。

手術実績

2018年 2019年 2020年 2021年
総手術件数 86 144 147 124
全身麻酔下手術件数         39 76 71 79
腹腔鏡下手術件数 28 51 35 38

2018年 2019年 2020年 2021年
腹腔鏡下胃切除術 1 3 3 1
開腹胃切除術 4 1 5 4
開腹胃全摘術 0 2 2 2
腹腔鏡下結腸直腸切除術 5 10 9 5
開腹結腸直腸切除術 7 5 9 10
人工肛門造設術 1 1 1 0
人工肛門閉鎖術 0 0 0 1
腸閉塞症手術 0 5 4 2
急性汎発性腹膜炎手術 0 2 0 4
腹腔鏡下胆嚢摘出術 8 12 9 10
開腹胆嚢摘出術 3 2 4 3
肝切除術 0 0 2 2
膵頭十二指腸切除術 0 0 0 1
膵体尾部切除術 0 1 0 0
消化管・胆管バイパス手術 0 0 2 0
腹腔鏡下虫垂切除術 6 3 3 5
虫垂切除術 0 0 0 1
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術 6 21 8 17
鼠径/大腿/腹壁瘢痕ヘルニア修復術 1 5 5 5
肛門疾患手術 3 7 11 2
経皮内視鏡的胃瘻造設術 10 20 32 19
開腹胃瘻造設術 1 5 5 4
CVポート造設術 17 13 22 12
皮膚皮下腫瘍摘出術 5 20 8 8
乳房切除術 0 1 0 0
その他 0 0 0 6

医師のご紹介

岡田 隆雅(外科部長)

<専門>
消化器外科、内視鏡外科
<所属学会・専門医・資格>
・日本外科学会/認定登録医/外科専門医
・日本消化器外科学会
・日本内視鏡外科学会
・日本大腸肛門病学会
・日本癌治療学会
・日本消化器内視鏡学会
・日本緩和医療学会
・日本ヘルニア学会
・日本臨床栄養代謝学会TNT研修修了
・PEG在宅医療学会嚥下機能評価研修会修了
・愛知県がんリハビリテーション医学研究会研修修了
・内痔核治療法研究会アルタ療法資格認定医

NCD(National Clinical Database)へのご協力のお願い

当院では、医療の質の向上のための取り組みとして外科系の専門医制度と連携したデータベース事業(NCD:National Clinical Database)に参加しております。

詳細につきましては下記資料をご覧ください。

診療スケジュール

page top